課題
- 売店の深刻な在庫不足とスペースの限界による、利用者の満足度低下
- 職員食堂の不採算化と、コスト高に伴う食事の「質・量」の低下
- 5つの事業(売店・食堂・自販機など)が別業者であることによる、煩雑な入札・契約管理
解決策
- 大手コンビニ(ローソン)の導入による品揃え拡充と24時間入店システムの構築
- 赤字傾向の食堂を他事業の収益で補完する、5事業一括の「全体最適」パッケージの採用
- 窓口を総合メディカルに一本化し、用度課の管理業務を効率化
効果
- 職員の満足度向上と、24時間利用・豊富なラインナップによる「選ぶ楽しみ」の創出
- 事務工数の大幅削減と、現場への対応改善
- 食堂を福利厚生として維持できる持続可能な運営体制の確立
「病院アメニティ&サービスパッケージ」のサービス詳細はこちら
「病院アメニティ&サービスパッケージ」の資料ダウンロードはこちら
地域に根ざした「温かく親しみにあふれた医療」

――はじめに『東京臨海病院』がどのような病院なのか教えてください。
青木様(以下、青木):
当院は、日本私立学校振興・共済事業団が運営する総合病院です。「温かく親しみにあふれた医療」という基本理念のもと、地域医療支援病院として江戸川区葛西エリアを中心に、地域医療の充実に努めています。
特に、24時間体制の救急医療やがん相談支援センター、健康医学センターといった専門的な機能を備えているのが特徴です。土地柄、葛西付近にお住まいのご高齢の患者さんも多くいらっしゃいますが、地域に広く開かれた病院として、あらゆる世代の健康を支える役割を担っています。
「選ぶ楽しみ」が失われた売店と、経営を圧迫する不採算の食堂
左:青木様 右:遊佐様
――売店や食堂を含む複数の事業について、抜本的な見直しを行うことになった背景には、どのような課題があったのでしょうか?
青木:
最も大きな課題は、院内売店の利便性低下です。以前の売店は非常にスペースが狭く、十分な種類や量の在庫を確保できませんでした。そのため、午前中に休憩に入る早番の職員が購入を終えると、12時以降に訪れる中番・遅番の職員や、診察を終えた患者さんが訪れたときにはわずかな品目しか残っておらず、食事を選ぶ楽しみが失われていました。
当院の周囲は徒歩10分圏内にコンビニエンスストアが1軒ある程度で、多忙な業務の合間に外へ買いに行くのは現実的ではありません。院内で満足な食事が手に入らないことは、食事を楽しみにしている職員のモチベーションを下げる問題となっていました。
遊佐様(以下、遊佐) :
売店だけでなく、職員食堂にも大きな課題がありました。提供される食事のボリュームや質に対して価格が見合っておらず、職員の間でも「コストパフォーマンスが良くない」と指摘されていました。しかし、食材費や人件費の高騰を理由に改善も難しく、食堂事業自体の不採算が深刻な状態になっていたのです。
――職員の皆様からも切実な要望が出ていたのでしょうか?
青木:
はい。特に看護部からの要望は非常に強いものがありました。看護師は体力勝負のハードな仕事ですから、食事の時間は働く意欲を維持するための大切な時間です。お昼休みに売店へ行っても好きなものを選べないという状態は、精神的な負担も大きい状況だったと思います。
また、診療部の先生方からも不満の声が上がっていました。先生方も多忙を極める中で、ようやく空いた時間に売店へ駆け込んでも在庫がない、あるいは食堂に行っても量と味が伴っていません。こうした状況からも、病院全体の福利厚生として、改善が急務となっていました。
――調達部門である用度課としても、運用面での苦労があったと聞いています。
青木:
当院では当時、売店、食堂、自動販売機、入院セット、レンタルテレビという5つの事業をそれぞれ別々の業者と契約していました。
そのため、入札や契約更新のたびに、1件につき1〜2か月ほど時間をかけて各業者と調達業務を行わなければならず、用度課に大きな負担がかかっていました。
「病院アメニティ&サービスパッケージ」のサービス詳細はこちら
「病院アメニティ&サービスパッケージ」の資料ダウンロードはこちら
あえて「食堂を残す」決断。総合メディカルを選んだ現実的な戦略
――5事業の委託先の選定はどのように進めたのでしょうか?
青木:
入札に参加した3社の中から総合メディカルを選定した決め手は、収支予測の現実味と「パッケージ提案」のバランス感です。
私たちの要望は「不採算の食堂を維持しながら、サービス全体の満足度を底上げしたい」というものでした。総合メディカルからいただいた提案は、食堂単体での黒字化を無理に追うものではありません。他4事業の収益で食堂の赤字分をフォローし、5事業トータルで収支をプラスにするという「全体最適」の視点に立ったものでした。提示された売上シミュレーションも決して大きく見積もったものではなく、堅実で納得感のある数字であったことが導入を決断する大きな信頼に繋がっています。
――業者選定において、他に重視されたポイントはありますか?
青木:
実は総合メディカルグループのルフト・メディカルケアが、以前から当院で看護補助者の派遣業務を担っており、その仕事ぶりの質の高さや病院特有の文化・ルールを深く理解してくれていた点も、大きな安心感に繋がりました。
もちろん入札は公正に行いましたが、看護部長も選定に参加する中で「あのグループなら現場の事情をよくわかってくれている」という信頼感があったのは事実です。また、大手コンビニブランドの「ローソン」が入るというインパクトは、先生方や看護師からも大きな期待を持って迎えられました。
――「食堂を廃止して売店一本にする」という選択肢は検討しなかったのでしょうか?
青木:
検討の中でその案が出たのも事実です。しかし、日々過酷な現場で患者さんと向き合う職員のために、たとえ赤字であっても「その場で調理された温かい食事」を提供できる環境だけは残したいという強い思いがありました。
食堂は単なる食事の場ではなく、職員にとって重要な福利厚生です。その思いを汲み取り、持続可能な形で食堂を存続させる方法を形にしてくれたのが、総合メディカルでした。
ローソン導入が変えた病院の日常と、不満が消えた食堂

――導入後、実際の現場の反響はいかがですか? まずは新しくなったコンビニについて教えてください。
遊佐:
期待を大きく上回る反響です。「MACHI café」やコンビニスイーツ、そしてテレビの特集で見かけるような期間限定商品が院内で買えるようになった喜びは大きいですね。かつては「お昼に行っても何もない」とがっかりしていた職員たちが、今では「今日はどれにしようか」と楽しそうに選んでいる姿を見かけます。
以前は残業中に宅配業者を呼んだり、夜食を我慢したりしていた夜勤の職員も、今は職員証(ICカード)で24時間いつでも入店できます。深夜でも温かい飲み物や軽食をすぐに手に取れる環境は、夜間のハードな勤務を支える大きな活力になっているようです。
ICカードをかざして入店可能
青木:
患者さんにとっても、欠かせない生活インフラになっています。ATMの設置や公共料金の支払いができるようになったことは、入院生活の不安解消に繋がっています。「入院中に公共料金の支払いができずに困っている」という切実な声が寄せられたこともあり、ご家族がすぐに来られない状況下では大きな悩みとなっていました。それが院内で完結できるようになった安心感は、非常に大きいと感じています。
また、以前の売店は狭く、衛生用品の棚を増やすと食品の棚を削ることになるジレンマがありました。しかし、ローソンになってからは売り場が広くなり、医療材料や衛生用品も非常に見やすく配置されています。ご家族が頻繁に来られない患者さんでも、自力で必要なものを揃えられる環境が整いました。
――懸案だった食堂や、その他の事業についてはどのように変わりましたか?
遊佐:
食堂は、日替わりランチや麺類のメニューが充実し、ボリューム・味ともに劇的に改善されました。価格はわずかに上がっていますが、それ以上の満足度があるため、以前のような不満の声はほとんど聞かれなくなりました。キャッシュレス決済が導入されたことで会計もスムーズになり、小銭を扱う手間が省ける点も衛生的で好評です。
食堂にはキャッシュレス決済を導入
遊佐:
自販機についても、導入時に興味深いエピソードがありました。以前は中央付近に固まっていた台数を、看護師の「患者さんから目を離したくないから、病棟の近くに置いてほしい」という声を反映し、各フロアの病棟近くに分散・増設したのです。
当初は業者側から「台数を増やすと一箇所あたりの売上が落ちるのでは」と懸念されていましたが、結果は逆でした。利便性が増したことで、職員も含めて利用頻度が大幅に上がり、想定以上の売り上げに繋がりました。現場のニーズに誠実に応えることが、結果としてビジネス面でも成功した好例だと感じています。
「病院アメニティ&サービスパッケージ」のサービス詳細はこちら
「病院アメニティ&サービスパッケージ」の資料ダウンロードはこちら
「窓口一本化」がもたらした余裕がある運用体制
――運用がスタートして、用度課の工数や管理体制にはどのような変化がありましたか?
青木:
5事業の窓口が一本化されたことで、私たちの業務負荷は劇的に軽減されました。以前は「このトラブルはどの業者に連絡すべきか」と迷うところから始まっていましたが、今は総合メディカルに連絡すれば、すべての事業について迅速に対応いただけます。
特に総合メディカルグループの文教の担当者が非常に丁寧で、何かあった際もすぐに対応してもらえる「顔の見える関係」が築けているのは、運用上の大きな安心感に繋がっています。
遊佐:
用度課の課題であった管理コストも大きく改善されました。これまで事業ごとに1~2か月かけていたあった入札管理が1件に集約されたことで、これまで調達に割いていた膨大な時間を他の改善業務に充てられるようになりました。
――今回のプロジェクトを振り返って、現在の率直なご感想をお聞かせください。
遊佐:
一番は、利益以上に「満足度」という目に見えない価値が向上したことだと思います。患者さんからも職員からも不満の声が出ず、みんなが過不足なくサービスを利用できている。この「不満がない」という当たり前の環境を維持できていることが、事務局としては何よりの成功だと感じています。
青木:
私たちは当初「マイナスにならなければいい」という控えめな目標でスタートしましたが、蓋を開けてみれば、すべての事業が滞りなく、かつ計画以上に好調に推移しています。患者さん、職員、そして業者の皆様が、誰一人不幸せにならない「患者さん・職員・事業者の三方よし」の調達が実現できたと感じています。
全体最適が課題解決への近道

――もし「コンビニだけ」「食堂だけ」の単独リニューアルだったら、今回のような結果にはならなかったと感じますか?
青木:
おっしゃる通りです。単独の入れ替えでも一時的な効果はあったかもしれませんが、不採算部門をカバーしきれず、結果的に他のサービスの質を落とさざるを得なかったはずです。
5事業を一気に委託したからこそ、それぞれの強みで補い合い、全体のサービスレベルを底上げする「相乗効果」が得られたと実感しています。
――今後、総合メディカルに期待していることを教えてください。
青木:
今後は、設備の劣化対応や、新しいサービスの提案に期待しています。当院は同じ傘下の病院が近くにおらず、他院の情報が入ってきにくい環境です。だからこそ、総合メディカルには「他院ではこんな成功事例がありますよ」という、パートナーならではの情報提供を積極的にいただきたいですね。
私たちの用度課のミッションは、コストダウンを図りつつ、医療の現場を支える物品やサービスを安定して提供することです。患者さんにとっても、職員にとっても、そして経営にとっても喜ばしい。そんな欲張りな理想も、パッケージ化という手法なら現実のものにできると感じています。
――同じような課題を抱える病院さまへメッセージをお願いします。
遊佐:
検討中の病院さまへお伝えしたいのは、個別最適ではなく「全体最適」で考えることの重要性です。不採算事業を無理に切り捨てるのではなく、収益性の高い事業と組み合わせることで、福利厚生としての価値を維持・発展させることができます。
病院運営のパートナーとして、一緒にバランスを考えてくれる存在を見つけることが、結果として患者さんと職員の幸せに繋がるのだと、今回の経験を通じて確信しています。







