課題
- 入院セットの申し込み・変更・終了手続きが紙とFAX中心で、看護師の事務負担が大きかった
- FAX送信後の受信・反映状況が見えにくく、確認作業や書類管理に時間がかかっていた
- 退院時の終了処理などに行き違いが生じると、契約が継続されるなどのトラブルにつながることがあった
- 短期入院の患者さんにも長期入院と同様のプランを案内しており、入院期間に応じた選択肢が不足していた
- おむつや口腔ケア用品などの内容が固定化しており、現場のニーズを反映しにくい状況だった
解決策
- 申し込みから変更・終了までをタブレットで完結できる「入院らくらくセット」を導入した
- 導入前の不安を解消するため、複数回のデモンストレーションと操作レクチャーを実施した
- 短期入院の患者さんに適した一泊二日プランを新設し、期間に応じて選択できるようにした
- 複数のおむつを試し、患者さんへのやさしさと現場の使いやすさを踏まえて採択した
- 舌ブラシや液体マウスウォッシュ、単品用品の追加といった「現場の声」をセット内容に反映した
効果
- 紙とFAXによる手続きがタブレット入力になり、申し込み・変更・終了の手続きがスムーズになった
- 入院セットの対応に関する負担が減り、看護師が患者さんのケアに時間を充てやすくなった
- 一泊二日プランの導入で、短期入院の患者さんにも内容と期間が合ったプランが用意できた
- おむつや口腔ケア用品を現場の声に基づいて見直し、患者さんの快適性と利便性が向上した
- 要望や課題に迅速に対応できる体制が整い、入院環境を継続的に改善できるようになった
今回のインタービュイー
ブラザー記念病院
事務長 中根 弥枝 様
看護師長 原田 敬恵 様
地域と社員の健康を支える、1954年設立の歴史ある地域密着型病院

――はじめに『ブラザー記念病院』がどのような病院か教えてください。
中根様(以下、中根):
ブラザー記念病院は、昭和29(1954)年にブラザー健康保険組合立ブラザー病院として設立されました。
その背景には、ブラザー工業の社員が安心して働ける医療環境を整えたいという考えがありましたが、当初から社員だけではなく、地域医療に貢献したいという強い想いもあり、半世紀以上、社員と地域の双方に開かれた医療機関として歩みを進めてきました。
現在もその想いは変わっていません。健康診断をおこなうなどブラザー社員に手厚い医療環境を提供する一方で、59床ある病棟には地域の患者さんの入院を多く受け入れるなどして、地域医療を支える病院としての役割を担っています。
――診療科目が多いことも特徴の一つですね。他の特徴も教えてください。
中根:
当院の特徴の一つは健診から外来、入院まで幅広く対応していることです。内科、整形外科、眼科、歯科など複数の診療科があり、健診センターも備えています。
設立当初から歯科があることから、長年、ブラザー社員の健康診断には歯科検診が組み込まれています。
当院の入院患者さんには、意思疎通が難しい寝たきりの方もいらっしゃいます。そうした患者さんにとって、日々のケアをおこなう看護師の視点が非常に重要だと認識しています。
患者さんご本人が伝えにくい小さな変化や不快感を、現場の看護師がくみ取り、温かいケアにつなげていることも、当院の特徴だと考えています。
紙とFAXでの手間がかかる運用が負担で、現場のストレスになっていた

――入院らくらくセットを導入される前、現場にはどのような課題があったのでしょうか。
中根:
入院セットを見直す直接のきっかけになったのは、既存の業者から値上げの話があったことです。まず、入院される患者さんやご家族にかかる負担を増やしたくないと考えました。同時に、入院セットの運用環境を改善したいという考えも浮かびました。というのも、当時はいくつかの課題がありました。
一つは看護師が入院セットを手続きするときの負担です。私は事務長ですので、実際の運用はこと細かく認識していませんでしたが、現場で手間がかかっていることは把握していました。
二つ目として、入院セットの内容についても検討の余地があることも見出していました。
――どのようなことが現場の看護師の負担になっていたのでしょうか。
原田様(以下、原田):
特に負担になっていたのは、申し込みと終了の手続きです。以前は、申込書を患者さんやご家族に手書きで記入していただき、それを看護師が受け取って、複合機でスキャンしてからFAXで送っていました。変更がある場合には、こちらで記入したり、電話で確認したりすることもあり、紙ベースの対応にどうしても時間がかかっていました。
また、FAXを送ったつもりなのに先方に届いていなかった、というトラブルが何度かありました。退院された患者さんの終了手続きが反映されず、翌月まで入院セットの契約が継続してしまったこともあります。さらに、複合機のメンテナンスなどで送信できない時間があると、その間の入退院の書類が溜まってしまっていました。
こうした確認作業や書類管理にかかる時間が積み重なり、看護師にとっては小さくないストレスになっていたと思います。
「安心」を感じた柔軟な提案力と不安を消してくれた導入支援
――そのような課題の解決にあたって、総合メディカルをパートナーに選んだ理由は何でしょうか。
中根 :
もともと、総合メディカルのセンサーマットのリースを利用していました。その縁もあり、担当者に入院セットに課題があることを伝えたところ、すぐに「入院らくらくセット」の提案をしていただきました。
特に、コストの面で明確な基準を示してもらえたことが大きかったですね。加えて「入院らくらくセット」は、セット内容の変更などにも柔軟に対応してもらえそうなことにも興味を持ちました。情報提供も細やかで、担当者の熱意や丁寧さも感じられ、安心して話を聞けた記憶があります。
導入を決めるうえで大きかったのは、総合メディカルが導入支援を通じて不安を一つひとつ解消していってくれたことです。また、タブレット操作への不安は、導入前に複数回に分けて看護師向けにデモンストレーションやレクチャーを実施し、解消してくれました。事前に何度も打ち合わせができ、私たちが知らないことや、想定できていなかったことも含めて納得できたことも背中を押してくれましたね。
――「入院らくらくセット」の導入にあたって、どのような検討をされましたか。
原田:
現場としても、総合メディカルの提案はありがたかったです。
印象に残っているのは、おむつの見直しができたことです。以前のおむつが悪かったわけではありませんが、よりよいケアのため、複数の製品を試してみたいと考えていました。現在使っているおむつは、ゴムの伸びやテープの留めやすさ、ギャザーなどが使いやすく、患者さんにとってもやさしいと思います。おむつは一見同じように見えても、実際に使ってみると交換のしやすさや漏れにくさなど、少しずつ違います。そうした点を試したうえで選べたことは大きなメリットでした。
一泊二日のプランを設定できたのも良かったです。以前は短期入院でも長期入院の方と同じようなプランになってしまい、1日だけ使う患者さんには余分に感じられることがありました。一泊二日プランができて、短期入院の患者さんにも勧めやすくなりました。
また、スリッパなど単品についてもメニュー化できるなど、細かな要望にも対応していただき、現場としてはとても助かりました。
デジタル化で手続きがスムーズになり、より手厚い医療が実現できた
ipadによる申し込みシステムを導入
――「入院らくらくセット」を導入して、効果をどのように感じておられますか。
中根:
私の立場から見て感じているのは、導入後に何事もなく運用できていることの大切さです。波風が立たず順調に運用できており、とても良い状態だと思います。
入れ替えにあたっては、リネンや病衣、タオルなどの既存業者との調整が必要な場面もありましたが、総合メディカルに丁寧にサポートしてもらったことで、現場に大きな混乱を生じさせることなく切り替えることができました。病院に新しい仕組みを導入するうえでは、現場の混乱や負担をどれだけ抑えられるかが重要ですが、事前準備がしっかりしていたため、安心して運用を始められたと感じています。
運用が始まってから、現場からおむつのかぶれに関する話が上がったことがありました。その際も、総合メディカルに伝えるとすぐに調整し、対応してくれました。こうした細かな対応があると、現場も安心して相談できます。相談後の反応が早く、細かい要望まできちんと聞いてくれる点は、総合メディカルの良さだと思います。
入院セットに限らず、病院の課題は日々少しずつ変わります。病院の職員だけで解決することは難しいため、外部のパートナーが同じ目線で一緒に考えてくれることが大きな支えになっていると感じています。
原田:
タブレット入力になったことで、手続きが本当に楽になったと思います。患者さんやご家族の申し込みもスムーズになったと感じています。
入院前に「入院らくらくセット」のパンフレットをお渡ししているため、あらかじめイメージを持っていただいた上で、入院時にタブレットで入力していただけます。入力できそうな方には「こちらに入力してください」とタブレットをお渡ししています。最近では、60代~70代くらいの方であれば、ご自身でさっと入力してくださることも多く、とても助かっています。
以前のようにFAX送信や紙の整理に気を取られる時間が無くなりました。感覚として「さっと終えられる」ようになったのが大きいですね。事務的負担が減ることで、本来の患者さんのケアに時間を使えるようになりました。
また、運用を開始してから、セットの内容を改善することもできました。以前は舌ブラシがなく、液体タイプの口腔ケア用品も利用できませんでした。自分で歯磨きが難しい患者さんも多いので、スタッフから「液体のマウスウォッシュがあると使いやすいのでは?」という声があがり、それを総合メディカルに伝えるたところ、すぐにセットに組み込んでくれました。
安心安全な医療を提供し続けるために、改善を積み重ねていく
――今後の病院運営における目標を教えてください。
中根:
当院が目指しているのは、医療の質を常に高め、安心安全な医療を患者さんにお届けすることです。これは当院の理念である「確かな技術と温かい心」として表しています。ブラザーの社員の方々はもちろん、地域の皆さまにも安心して受診していただける病院であり続けることが、私たちの大切な役割だと考えています。これからも地域に信頼される病院づくりを進めていきたいと考えています。
そのためには、医師や看護師だけでなく、事務職員を含めた職員一人ひとりが同じ方向を向き、「患者さんにとって本当に安心できる環境とは何か」を考え続けることが大切です。今回おこなった、入院セットの見直しも、その取り組みの一つです。現場の声を拾い、小さな不便や負担を減らしていくことが、結果として患者さんへのよりよい医療につながっていくと考えています。
――「入院らくらくセット」の導入を検討されている他の医療機関様へメッセージをお願いします。
原田:
総合メディカルのありがたいところは、相談しやすいことです。「こういうことが困っているんですけど」と気軽に伝えられます。すると、すぐにいろいろな提案が返ってくるので助かっています。
今回も、現場の「こうだったらいいな」に対して柔軟に対応していただきました。これからも、気軽に相談できる存在であってほしいですね。
中根:
入院セットは、一度導入すると長く見直されないことが多いものだと思います。今回は見直した結果として、コスト面だけでなく、現場の手間を軽減し、患者さんに合ったセットの内容まで改善できました。
また、入院セットは、直接の医療行為ではありませんが、患者さんの入院生活を支え、看護師が本来の業務に集中しやすい環境を整えるという意味で、医療の質にもつながるものだと考えています。
そうした環境づくりを一緒に進めてくれるパートナーとして、総合メディカルにはこれからも、病院と同じ目線で仕事をしてくれることを期待しています。








