事例紹介
地域中核の二次救急を担う急性期病院の円滑な移転を、一貫して支援

社会医療法人財団仁医会 牧田総合病院
所在地:東京都大田区西蒲田 8丁目20番1号
電話:03-6428-7500(代)
URL:https://www.makita-hosp.or.jp/
病床数:本院290床(急性期一般:267床(うち産科16床+LDR3床)、HCU11床、SCU12床)
診療科目:内科、総合内科、内分泌内科、糖尿病内科、人工透析内科、循環器内科、神経内科、呼吸器内科、腎臓内科、消化器内科、血液内科、リウマチ科、小児科、救急科、放射線科、外科、消化器外科、乳腺外科、呼吸器外科、脳神経外科、精神科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、病理診断科、リハビリテーション科、耳鼻咽喉科、皮膚科、眼科、産婦人科、整形外科、形成外科、肛門外科、泌尿器科
課題
- 老朽化した建物には増築の余地がなく、これ以上診療機能や施設を拡張することが困難
- ハード面の物理的な制約が、診療サービスの拡張や、優秀な人材の確保におけるボトルネックとなっている
- 移転プロジェクトを進めるうえで、院内に人的リソースがない
- 効率的な現場運用を実現するノウハウが院内に少ない
- 現場からの要望を取り入れつつ、予算内に収めることが難しい
効果
- 従来の診療リソースを削ぐことなく、移転計画をスムーズに進めることができた
- イニシャルコストとランニングコストの両面で費用を削減し、安定した病院経営を実現できた
- 病院内の人員配置を効率化し、同時に安全性を向上させることができた
- 無駄な建築コストを削減しつつ、患者さんの満足度も高めることができた
- 患者さんと職員の双方にとっての利便性が向上した
仁医会グループのミッションを実現

――「社会医療法人財団 仁医会 牧田総合病院」について
牧田総合病院は、東京都大田区に位置し、昭和17年(1942年)に牧田医院として開設されました。長年の歴史の中で診療科目を増やし、平成23年(2011年)には社会医療法人へ組織変更。現在、急性期一般病床を含む290床を有し、多岐にわたる診療科と、救急センター、脳卒中センター、消化器病センターなどの専門センターを設置しています。
今回、施設の老朽化と手狭になった都内23区の駅前に位置している敷地という課題に対し、病院の建替え移転を決断されました。
2021年2月に開院の今回の移転では、病床数を増床し、より多くの患者さんを受け入れる体制を整備。また、全国に先駆けて脊椎手術支援ロボットを導入するなど、先進的な医療技術を積極的に取り入れ、質の高い医療の提供を目指されています。
また、設計段階から『病院らしくない病院』をコンセプトにした、新しい病院として、グラフィックを多く使った待合や病棟、200人収容可能な講堂など、すべての人が安心して集える場を提供しています。
地域の中核病院として、急性期から慢性期まで幅広い医療を提供される牧田総合病院。移転という大きな変革を経て、地域医療をさらに力強く支援をおこなっています。
積年の思いをカタチに。新病院移転プロジェクト

病院の経営陣は、実は10年以上前から移転を計画されていたそう。せっかく病院を新しくするのであれば、その姿は理想に近いものにする必要があります。理想の病院を考えるうえでは、今後数十年についての長期的な展望を持ち、社会環境の変化などにも対応できる基盤を作っておくことが不可欠です。
病院の経営陣は当然、ある程度は理想の病院像というものを描いていらっしゃいました。しかし、経営陣も移転に携わるのは初めての方がほとんどだったので、総合メディカルの持つ経営のノウハウ等も提示しながら、少しずつ理想を具体的に、現実的にしていく必要がありました。
まず問題となったのは、老朽化した建物に増築余地がないため、診療拡張や人材確保しようとしてもハード面がボトルネックになっていることです。また、ソフト面でも、この移転プロジェクトを進めるうえで、院内に人的リソースがない、移転後の効率的な現場運用を実現するノウハウが院内に少ないなどの課題もありました。
総合メディカルからは、コンサルティングや不動産、人材紹介などさま々な専門性を持ったメンバーがプロジェクトに参加。病院の経営陣に対して、「もっとこうしたほうがいいのでは」と、牧田総合病院が新しく生まれ変わるために積極的に提案をおこないました。
徹底した「予算管理」で、コスト削減を実現
病院の建て替えプロジェクトでは、「現場からの要望を叶えたい」という思いと「限られた予算内に収めたい」という現実の間で、多くの葛藤があるのが事実です。そこで、プロジェクトを成功に導く鍵となるのが徹底した「予算管理」です。
イニシャルコストについては、現場の要望を精査し、将来的な展望も踏まえた最適な運用方法やシステム・機器の選定を支援。メーカーとの調整を通じて、過剰な投資を抑えつつも要望を最大限反映したコスト削減を図りました。
また、ランニングコストについては、当社グループの購買力を活かした医薬品・医療材料の共同購買でコストダウンを実現。さらに、価格交渉の代行により、現場スタッフの業務効率化と人件費の削減にも貢献できました。
跡地周辺の医療提供体制を守る医療モール開発

新病院の建替えは、地域の医療提供体制を守るための重要なプロジェクトでもあります。旧病院の跡地をどう活用するかもまた、大きな課題となります。単なる病院の建替えだけでなく、跡地の有効活用や地域医療の未来を見据えたトータルプロデュースをおこなうことで、地域の医療提供体制を守るための課題解決に導いていきました。
牧田総合病院の場合、建替え後の跡地周辺に、地域の医療提供体制を維持・強化するための医療モールを開発しました。新病院との連携を前提に、地域で不足している診療科のクリニックを誘致し、周辺住民の方々がよりスムーズに医療を受けられる環境を整備。これにより、新病院の機能を高度医療に集中させつつ、地域全体で患者さまの幅広いニーズに応える体制を構築しました。
私たちは、病院の建替えから跡地の有効活用まで、地域医療の未来を見据えたトータルプロデュースで、お客さまの課題を解決に導きます。
人材アウトソーシングの活用で最適な人員配置と安全性を向上

プロジェクトが動き出してから、移転が実現するまでは2~3年程かかります。その間病院は通常の診療を続けながら、職員の皆さんの負担を減らせるように新しいオペレーションへ移行しなければなりません。
牧田総合病院の場合、この課題を解決するために、総合メディカルグループの人材アウトソーシングをご活用いただきました。
当社は、専門性の高い医療事務や医師事務作業補助者を、新病院への移転前から派遣。これにより、従来の診療業務に集中できる体制を維持しつつ、移転準備を円滑に進めることができました。さらに、移転後も必要な部門に最適な人員を配置することで、業務効率と安全性の向上に貢献し、人的リソースの面からもお客さまを力強くサポートできました。
入院生活を向上させるベッドサイドアメニティ環境の構築

新病院の建替えでは、コストを抑えながらも、患者さんのQOL(生活の質)を高める環境づくりを支援することが必須の課題でした。
牧田総合病院では、この課題に対し、総合メディカルと共同でベッドサイドアメニティ環境を構築。設計段階から患者さんと看護師双方の視点を取り入れることで、本当に必要な機能を見極め、無駄なコストを削減。国内一流メーカーと共同で開発した病院専用テレビ、機能的な床頭台、電子カルテと連携する情報端末などを導入しました。
これにより、患者さんは快適で安心して過ごせる環境を得ることができ、看護師の方々も効率的な業務が可能となりました。
充実した院内販売サービスにより、利便性を向上

新病院の建替えでは、患者さんや職員の利便性を高めたいというご要望と、保管スペースや人員配置といった課題を両立させる必要があります。
牧田総合病院では、この課題に対し、総合メディカルグループの文教が提供する院内コンビニサービスを導入。コンビニ商品の販売はもちろん、公共料金の収納代行やチケット販売、郵便ポスト、ATM設置など、幅広いサービスを提供し、外来患者さんや入院患者さん、そのご家族、そして病院職員の皆さまの利便性を飛躍的に向上させました。
また、病院のニーズに合わせた医療品の販売もおこなうことで、過剰になりがちな保管スペースや人員体制にゆとりを生み出し、効率的な病院運営に貢献しています。
調剤薬局との連携による調剤体制・設備の最適化

高齢化が進む現代において、病院と調剤薬局の連携は、地域医療にとってますます重要になっています。
牧田総合病院の新築移転プロジェクトでは、計画の早い段階から、総合メディカルグループの「そうごう薬局」が参画しました。
そうごう薬局は、新病院の現場運用を考慮しながら、PCR検査や救急外来での調剤、入退院時の患者情報共有、合同カンファレンスの開催といった課題に対し、専門的な知見に基づいたソリューションを提供。これにより、新病院における最適な調剤体制と設備を構築することが可能になりました。病院と薬局が一体となり、地域医療の質を向上させるための連携を支援を形にすることができました。
コンサルタントインタビュー

――牧田総合病院の病院建替えサポートについて、総合メディカルのコンサルタントに聞きました
「よい医療は、よい経営から」。
総合メディカルでは、この言葉をコンセプトに医療機関経営のトータルサポートをおこなってきました。
お客さまの考えに共感し、契約の範囲を超えても期待以上の価値を提供することを大切にしています。
当社には、創業以来40年以上かけて培ってきた多角的な事業基盤による総合力と、それらをつなぎ合わせる協力体制があります。
たとえば、私が担当した牧田総合病院のプロジェクトでは、本来の業務外である職員食堂の改修に関わることになりました。院長先生の「職員の士気を上げたい」という熱い思いに応えるため、社内の他部署のメンバーを巻き込み、様々な専門知識を結集。結果、病院職員から「食堂が楽しみになった」と大好評の空間が完成しました。
このように、私たちの「総合力」と社内の連携体制を活用することで、お客様の期待を超える付加価値を創出し、良い医療の実現に貢献しています。
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