サービス概要 災害時に患者さんとスタッフの命を守りつつ、病院機能を継続・復旧するために
近い将来、「南海トラフ巨大地震」の発生が想定されることをはじめ、風水災等大規模災害や感染症の流行という医療機関の事業継続を脅かすリスクは後を絶ちません。非常事態が起きた際に地域の医療を持続するためには、実効性の高いBCPの策定が不可欠です。
一方で、多くの医療機関がBCP策定や実行に向けた取り組みに課題を抱えているといわれています。総合メディカルは、これまでの豊富な医療機関支援の実績と専門知識を活かし、自然災害の発生時に一刻も早く病院機能を継続・復旧させるために、各医療機関の実情に合わせたBCP策定から運用までを、専門会社との連携により一貫してサポートします。
課題/トレンド 有事に対応できない「形だけ」のBCPの限界
医療機関におけるBCP策定の重要性は徐々に認識されつつあります。しかしながら、日々の業務に追われてBCP策定に時間を割けないといった実情が散見されます。
また、とりあえず策定はしたものの、BCPが実際には機能せず、「形だけ」になってしまっていることや、災害時の指揮命令系統の確立、トリアージ、限られた医療資源の最適配分など、医療機関特有の視点が必要となります。これらの課題を解決し、実効性のあるBCPを効果的に構築するためには、専門的な知識と経験に基づいたサポートが必要です。
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課題1
BCP策定の優先順位が低い - 多くの医療機関において、BCPの策定に向けた取り組みがなかなか進んでいない理由の一つに、BCP策定の優先順位が相対的に低くなってしまっていることがあげられます。
また、一般的にBCPの策定にはコストと時間がかかるなか、表面的にその投資効果が見えにくいことも理由だといえます。その結果、BCPの策定が後回しになり、災害時の対応力が脆弱なままというリスクが存在し続けることになっています。
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課題2
有事の際に機能する実効力があるか不安 - BCPを策定してはみたものの、その実効性に不安を抱える医療機関が多いといわれています。厚生労働省が提供している雛形をもとに作成したBCPでは、単なる「穴埋め」による「形だけ」のものに留まり、実際に機能するのかといった不安があるのが実態ではないでしょうか。
特に問題なのは、「災害時の指揮命令系統が明確でない」「必要な医療資源の確保方法が具体的でない」など、策定したBCPが実践性・具体性を欠くといった場合です。
また、定期的な訓練や見直しが行われていないことで、実効性の検証がなされていない、BCPの内容が職員に十分に浸透していないケースも想定できます。
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課題3
災害時の指揮命令系統や役割分担が不明確 - 多くの医療機関では、BCPを策定しても災害時の指揮命令系統や各職員の役割分担が明確に定められていないことが多いという指摘があります。平時の組織体制をそのまま災害時に適用しようとしても、実際の緊急事態では機能しない可能性があるのです。
特に問題とされているのは、災害対策本部の設置基準や構成メンバーの役割が曖昧なことです。過去の事例では、災害時に役割が重複していたため、指揮系統に空白や乱れが生じたケースが多く報告されています。また、災害時のライフライン確保や設備面での対策が十分でなく、病院機能の維持に不安が多いことも課題の一つです。
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課題4
人材不足によって策定や見直しに時間を割けない - そもそも、医療機関の多くは、日常的な業務や他の様々な経営課題への対応に追われ、BCPの策定や更新に十分な時間とリソースを割くことが難しい状況にあります。なかでも事務部門では、人材不足や業務過多が常態化しており、BCPのような非日常的な計画策定に注力することが容易ではありません。
また、院内のリソースだけではBCPの策定に必要な医療、設備、情報システムなどの諸要素について、俯瞰的に整理するスキルが確保できないケースもあります。そのほか、人材不足によって一度策定したBCPの定期的な見直しや更新が後回しにされることも多く、結果としてBCPが現状と乖離することで、実効性を失っていくリスクがさらに高まっているといえます。
解決できる課題
解決策1
医療機関の実情に即したBCPの策定と運用支援
総合メディカルは、これまでの豊富な経験を活かし、医療機関ごとの実情を深く理解した上で、災害時に機能するBCPについて、策定から運用まで一貫してサポートします。
災害時の指揮命令系統の確立や医療資源の最適配分の検討など、医療機関特有の課題にも対応し、現状分析、リスク評価、優先業務の選定、具体的な行動計画の策定、実効性の検証まで、専門的知見を活かしたBCP策定を共に推進します。
解決策2
実効性の高いBCPの策定と定期的な見直しを支援
総合メディカルは、各医療機関の実情を十分に理解した上で、実効性の高いBCPの策定を後押しします。
まず、現状分析とリスク評価を通じて、医療機関が直面する具体的なリスクを特定する現地調査を実施します。次に、災害時に優先すべき業務を明確にし、限られたリソースで効果的に対応できる体制を設計します。最後に、災害対策本部の設置基準や指揮命令系統、各職員の役割分担を明確化して、災害発生時の混乱を防ぎます。
さらに、策定したBCPは定期的な机上訓練を通じて検証し、必要に応じて見直しを行います。これにより、常に最新の状況に対応できるBCPを構築し、災害発生時にも機能する体制を整えることが可能となります。
解決策3
組織全体で取り組む体制を構築
総合メディカルは、セミナーや説明会などを通じて、経営層はじめ職員の皆さんにBCPの必要性や効果、組織全体で取り組むことの重要性について、しっかりとご説明します。
また、他の医療機関の事例や、BCPが機能しなかった場合のリスク等を具体的に提示することで、組織全体で災害対策を講じることの意識を高めます。
さらに、病院機能評価や診療報酬体系との関連性等も明確にしながら、BCPへの取り組みが経営面でもメリットになることを示すことも可能です。これにより、BCPの策定や運用に必要なリソースの確保がスムーズになるほか、組織全体が一丸となってBCP対策に取り組む環境を整えることができます。
解決策4
BCP策定・運用に関する業務負担を軽減
総合メディカルは、医療機関のBCP策定・運用に関する業務負担を軽減し、効率的な取り組みをサポートします。
BCP策定に必要な情報収集や分析、文書作成などを支援し、コンサルタント主体で作業を行う形、コンサルタントが助言しながら医療機関主体で作業を行う形など、柔軟な支援形態をご用意します。
さらに、定期的なBCPの見直しや更新作業についても、医療機関が日常業務に専念しながらBCP対策を継続的に進めることができるようサポートします。
サービス詳細
特長1
医療機関の立場に精通したBCP対策ソリューション
総合メディカルは、長年にわたる医療機関支援の実績と専門知識を活かし、BCP策定から運用までを一貫してサポートします。
医療機関特有の課題や実務を正しく理解した上で、BCPの策定から訓練、見直しまでをワンストップで支援し、災害発生時の医療機関の事業継続を確かなものとする、信頼できるパートナーとして、最適なBCP策定をお手伝いします。
例えば、災害時のトリアージや限られた医療資源の最適配分、患者さんやスタッフの安全確保と継続的な医療提供の両立など、一般企業のBCPとは異なる医療機関特有の要素を的確に把握した上でBCPに反映させ、状況変化に応じてブラッシュアップします。
特長2
ニーズに応じたカスタマイズ
総合メディカルでは、医療機関におけるBCPの策定状況や課題に応じて、以下のような多様なメニューを用意しており、それぞれのカスタマイズにも対応しています。
- ・BCPよろず相談
- ・現地調査
- ・策定済みBCPの診断
- ・BCP策定・見直し支援
- ・机上訓練支援 など
例えば、BCPの策定経験がない医療機関には、現状分析から計画策定、訓練実施までの一貫したサポートを提供し、すでにBCPを策定済みの医療機関には、実効性の検証や改善提案を行います。
特長3
BCP策定後のフォローアップと継続的な改善支援
総合メディカルは、BCP策定後のフォローアップと継続的な改善支援も行っています。また、万一の事態に備えたリスクマネジメントも重要なため、保険の手当てや見直しについても対応しています。
総合メディカルは、保険代理店として幅広い保険商品のラインナップを用意しており、BCPでカバーしきれないリスクに対しても、適切な保険商品をご提案することにより、総合的なリスクマネジメントをサポートします。
サービス利用までの流れ BCP対策利用までの流れ
01弊社より、BCP策定・運用にまつわるご要望・お悩み事の概要についてヒアリング
- 初回より2で対応させていただく場合もございます
02弊社業務業務提携先のMS&インターリスク総研㈱をご紹介し、専門コンサルタントにより、詳細についてヒアリング(基本無料)
- 原則WEBにて、医療機関の実態にも精通したコンサルタントが、貴院のご要望・お悩み事についてお伺いし、ご支援の可能性・内容について協議させていただきます。
03貴院の現状やご要望に合わせて、ご支援内容に応じたお見積りをご提示
- 必要な支援内容についてすり合わせを行い、個別にお見積りをご提示します。
【支援内容例】
①現地調査
②策定済みBCPの診断
③BCP策定・見直し支援
④机上訓練支援
04MS&ADインターリスク総研㈱と貴院にてコンサルティング契約を締結
05ご契約内容に基づき、実行支援開始
事例紹介
当社ならではのメリットを活かした実績多数
お客様の声をご紹介いたします。
事例1
グループ内の各病院におけるBCPの策定支援および改定支援
課題- グループ内の各病院によって様式や策定状況の異なるBCPについて、BCP策定レベルの底上げを図りたい。また、各病院が策定しているBCP の内容を評価し、改善を指導したい。
解決案- グループ内の様々な規模や地域の病院で活用可能なBCPのひな形と、BCP策定のポイントや記載例等を解説したガイドラインを作成した。また、各病院に対して本部が指導を行うための評価用の基準および様式を作成した。
効果- 比較的規模の小さな病院ではBCPの策定が不十分であったが、底上げが図られた。また、策定済のBCPについて、効率的・効果的な評価および指導を行うことができ、BCPの実効性向上が図られた
事例2
グループ内の各施設に対するBCP訓練支援
課題- 安否確認や避難訓練などは実施していたが、災害発生直後から数日後までの災害対策本部の対応を確認できるような本格的な訓練は実施したことがなかった。
本格的な訓練実施の必要性は認識できていたが、やり方が分からないため、実施できていなかった。
解決案- グループ内の代表施設に対してコンサルティングを導入し、本格的な状況付与型シミュレーション訓練を実施した。また、訓練結果について、対応のポイント解説や講評を実施してもらった。
効果- 本格的な訓練の実施方法や実施に必要なシナリオやツールが得られた。
施設における災害対応上の課題やBCP見直しの方向性が把握できた。
代表施設以外の施設には、グループ本部の要員で訓練を横展開することで、コンサル費用を抑制できた。
よくあるご質問 BCP対策に関するよくあるご質問
- QBCP策定支援は事業継続対応に対する計画の策定のみが対象ですか?
- A危機に対する初動対応および事業継続対応どちらに対しても支援可能です。
- Q予算が心配なのですが、支援を受けることはできますか?
- Aご要望やご予算に応じたご支援内容の提案が可能です。まずはご相談ください。
- QサイバーBCPに関する取り組みについても対応可能ですか?
また、現状のセキュリティ対策のチェックや評価も実施してもらえますか? - Aリスクコンサルティングの観点からBCPの配備や記載項目のチェックは実施しますが、脆弱性診断やネットワーク構成のアセスメント等に対するチェック・助言は対象外となります。