コラム
病室をリフォームするなら? 経営を圧迫しないリフォーム方法
公開日:2025/10/23

患者さんが入院中に長い時間を過ごし、心身の回復を促す病室には、何よりも清潔感や安心感が求められます。壁紙の汚れや剥がれ、古くなった設備が目立つ環境では、患者さんやご家族が不満や不快感を抱き、病院全体への印象を悪化させかねません。とはいえ、多くの病院は厳しい経営状況に直面しており、多額の費用がかかるリフォームに取り組むことが難しい現実があります。
本記事では、病院経営の課題を解決する有効な手段として、「病室のリフォーム」に焦点を当てます。なぜ今、病室のリフォームが必要なのか、その理由とリフォームの必要性が高い場所、そして病院経営を圧迫せずに療養環境を向上させるための画期的なご提案まで説明します。
目次
病室のリフォームニーズが高まっている理由
日本の病院で広く採用されている鉄筋コンクリート造(RC造)などの施設は1980年前後に着工のピークを迎え、多くが物理的な更新時期にあります。本来であれば建替えが望ましいものの、現実には用地の確保が困難であったり、建築コストが高騰していたりするため、計画に踏み切れない病院は少なくありません 。このように建て替えが難しい状況で、喫緊の課題である施設の老朽化に対応する現実的な選択肢として、まずは病室のリフォームから着手したいというニーズが高まっています。
とくに、療養環境は患者満足度や病院収益に直結するため、差額室のリフォームは優先度が高くなります。病室の壁が汚れ、設備が旧式のままでは患者さんから敬遠されかねません。暗く古びた印象の病室よりも、明るく清潔感のある空間で過ごしたいと考えるのは自然なことです。
病室を綺麗にリフォームすることは、患者満足度を向上させ、病院のイメージアップを実現する効果的な施策となります。
さらに、1980年代とは異なり、現代ではバリアフリーへの対応も不可欠となりました。
患者さんの満足度を高めたり、バリアフリーに対応したりするためにも、病室の老朽化対策・リフォームは今すぐに対応したい課題といえます。
リフォームの必要性が高い代表的な場所は?
病室のリフォームと一言でいっても、対象は床や壁・天井といった基本的な内装から、照明、ドア、ベッド、カーテンといった備品、水回りなどの設備に至るまで実に多岐にわたります。
床
床は、ベッドや車いすの移動、医療スタッフや見舞客の往来などによって、時間とともに劣化や傷みが生じやすい場所の代表格です。床材が剥がれていたり、汚れが染みついていたりすると、それだけで病室全体に不衛生な印象を与えるため、古くなった床は張り替える必要があります。
リフォームの際に重視したいのは、床材の機能です。見た目を新しくするだけでなく、院内感染防止のための抗菌性、患者さんの転倒を防ぐ防滑性、万が一の転倒時に衝撃を和らげる衝撃吸収性、清掃の手間を軽くする防汚性など、病院特有の環境に適した機能を持つ材質を選ぶ必要があります。
壁・天井
壁や天井の汚れ、黄ばみ、ひび割れといった経年劣化も、病室の景観に影響を及ぼします。気をつけたいのは、患者さんがベッドで横になっている際、視界に入るのは天井だということです。
患者さんは療養中、ベッドで横になる時間が長いため、天井が与える心理的なインパクトは想像以上に大きいといえます。患者さんに与える影響を考慮し、心を落ち着かせるデザインを選ぶことが大切です。
壁紙(クロス)を張り替える際は、患者さんに圧迫感を与えず、清潔で安心できる印象をもたらす適切な配色を心がけるとよいでしょう。
水回り
病室に付帯するトイレや洗面台といった水回り設備は衛生状態がとくに気になるもので、「使いやすさ」が患者さんの療養生活の質に大きく左右します。古いタイプのトイレや、力を入れてひねる必要のある蛇口は、身体が不自由な患者さんにとっては大きな負担になってしまいます。
リフォームによって、水回りを最新の設備に更新するだけで快適性は格段に向上します。また、築年数が経過した建物でよく見られるのが、病室とトイレの間の段差です。この段差は高齢の患者さんや車椅子を利用する患者さんの転倒リスクを高める危険な箇所でもあります。リフォームでこの段差をなくし、完全なバリアフリー化を実現することは、患者さんの安全を守る上でも重要です。
照明
照明器具も、病室の環境を大きく左右する要素です。適切な明るさは、患者さんが面会者との会話を楽しんだり、食事をしたりといった日常的な動作を、スムーズかつ快適に行うために欠かせません。
それだけでなく、医師や看護師が各種医療処置を効率よく安全に行うためにも、十分な光量が確保、維持されている必要があります。
病室の照明計画では、部屋全体を均一に照らす基本的なベースライトに加え、患者さんの手元やベッド周辺を個別に照らす照明、夜間の安全な移動に配慮した柔らかな常夜灯、医療処置の際に特定の部位を集中的に明るく照らす処置灯など、さまざまな照明を効果的に組み合わせることが必要です。
照明を適切に配置することで、患者さんにとっても、医療従事者にとっても快適で機能的な病室が実現できます。
ドア
病室のドアは、患者さん自身はもちろん、医師や看護師、見舞客など、多くの人々が何度も開け閉めを繰り返す設備です。そのため、一般家庭用のドアとは根本的に異なる、医療現場特有の配慮が必要になります。
まず、衛生面への配慮と、体調の優れない患者さんを含む誰もが開け閉めしやすいことが大切です。例えば、点滴スタンドを押しながらでも、両手が塞がった状態でも、軽い力でスムーズに開けられる構造が求められます。
閉め忘れを防ぎ、患者さんのプライバシーや病室内の静粛性を適切に保つために、自動で静かに閉まる機能があると有効です。さらに、頻繁な開閉に耐える高い耐久性や、室内の会話や医療機器の音を外部に漏らさず、同時に廊下の騒音を室内に侵入させない防音性も、質の高い療養環境を維持するために欠かせない機能といえます。
ベッド
入院中の患者さんが、1日の大半の時間を過ごすことになるのがベッドです。ベッドの快適性や機能性は、患者さんのQOL(生活の質)や健康状態の回復に重大な影響を及ぼすため、リフォーム時に入れ替える必要性が極めて高い設備といえます。
現代の医療用ベッドには、患者さんが誤って転落する事故を防ぐためのサイドレールといった安全なサポート機能が必須です。さらに、患者さんの体調や治療内容に合わせて背もたれの角度を細かく調整したり、看護師が効率的で安全な介助を行えるようにベッド自体の高さを電動で自在に調節したりする機能も、医療現場では標準的な設備となりました。
最新機能を備えたベッドに入れ替えることで、患者さんの安全性と快適性を高めるだけでなく、医療スタッフの日常的な身体的負担を軽減することができます。患者さんだけでなく、医療スタッフの負担軽減を意識した選択が重要です。
カーテン
病室内の間仕切りや窓辺に設置されるカーテンは、患者さんの咳やくしゃみによる飛沫、医療処置の際に飛散する血液、室内を常に浮遊するホコリやカビなど、目に見えない汚れが日常的に付着しやすい備品です。そのため、衛生管理上、定期的なクリーニングや計画的な交換が欠かせません。病室の内装リフォームを実施するタイミングで、カーテンも同時に一新するとよいとされています。
カーテンの色彩は、病室全体の雰囲気を大きく左右する重要な要素です。入院生活を送る患者さんの不安な気持ちを少しでも和らげ、心を落ち着かせるような、優しく穏やかな色合いを慎重に選びましょう。
清潔で衛生的な環境を維持するために、洗濯が可能なウォッシャブルタイプや、不快な臭いを効果的に分解する消臭効果のあるカーテンも有力な選択肢となります。
また、医療施設では、消防法によって防炎性能を持つカーテンの使用が法的に義務付けられている点にも注意が必要です。
リフォームにかかるコストはどれくらい?
病室のリフォームを本格的に検討する上で、病院経営者が最も気にするのがコストの問題です。一般的に、病院や病室のリフォームには、1坪あたり数十万円のコストが必要とされていますが、これはあくまで目安です。
実際の費用はリフォームの規模や内容、使用する建材や設備のグレード、工事の複雑さによって大きく変動します。
特に、保険適用外の差額ベッド料を徴収する差額室(特別療養環境室)のリフォームは、患者さんから高い満足度を得るために内装や備品に高いクオリティが求められます。そのため、初期コストがトータルで数百万円から数千万円に達することもしばしば見られます。
患者さんの快適性を高めるために最新の電動ベッドやハイクラスの照明器具を導入したり、水回り設備を交換したりすれば、その分だけコストは確実に加算されていきます。
さらに注意すべきは、リフォームにかかる工事費という直接的なコストだけではありません。リフォーム期間中は対象の病室が使用できなくなるため、稼働病床の減少にともなう収益減という間接的なコストが発生します。
このように、従来の一般的なリフォーム方法では、多額の初期投資と工事期間中の稼働病床の減少による減収という、病院経営にとって二重の負担が発生する可能性があります。
病院経営を圧迫しない! 総合メディカルの提供するリフォーム方法
病室のリフォームには多大なコストと労力がかかるため、従来のやり方では病院経営を圧迫する恐れがあります。しかし、老朽化が進む病室を放置すれば患者満足度の低下を招き、長期的には病院の評判や収益に悪影響を及しかねません。
患者満足度につながる療養環境の向上と、健全な病院経営。この2つを両立するのが病院にとって理想の姿だといえるでしょう。これらの両輪をしっかり連携させ、着実に回すのに有効なのが総合メディカルグループが提供する「病室リフォームレンタル」サービスです。
最大の特長は、「初期費用0円」のレンタル方式で、通常のリフォームにかかる初期費用が一切不要という点です。病院側はリフォーム予算を事前に準備する必要がなく、銀行との融資交渉など煩雑で時間のかかる手続きも必要ありません。
「病室リフォームレンタル」サービスでは、リフォームによってグレードアップした差額室が生み出す収益から、レンタル料を支払うことで初期費用ゼロでのリフォームを可能にしています。
レンタル料は定額制ではなく、病室の利用実績に応じて発生する仕組みです。そのため、稼働率が低い時期のリスクも最小限に抑えられるのが特徴です。万が一、稼働率が想定を下回った場合でも契約期間の延長といった柔軟な対応が可能なため、病院は将来の収益予測や経営計画を立てやすくなります。
サービスの対象範囲は、床・壁・天井といった基本的な内装工事はもちろん、照明やドア、ベッド、カーテンといった各種備品も含まれます。さらに、築年数の古い病院で課題となっている水回り設備についても、大規模な配管工事は対象外となるものの、サービスに含めることができるのも強みです。
病室リフォームは患者満足度と病院経営の両立を叶える手段
老朽化が進む病室をリフォームし、患者さんに安心感と快適な療養環境を提供することは、病院のイメージアップや長期的な収益改善にも確実につながります。しかし、一般的な方法ではリフォームに多額の初期費用が必要となり、多くの病院にとって厳しい負担となるのが現実でした。
「病室リフォームレンタル」サービスなら、「初期費用0円」の画期的なレンタル方式によって、療養環境である病室の改善と増収を同時に実現可能です。患者満足度の向上と健全な病院経営の維持の両立を諦める必要はありません。患者さんから選ばれる魅力的な病院づくりのためにサービスの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
病室リフォームレンタル
「初期費用0円」で差額室をリフォームし、収益改善と患者サービス向上を同時に叶える
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