コラム

医療機関におけるWeb戦略とは?Webサイト改善から考える集患とコミュニケーションの方法を解説

公開日:2023/05/29

更新日:2023/08/25

医療機関におけるWeb戦略とは?Webサイト改善から考える集患とコミュニケーションの方法を解説

現代の医療機関経営において、Webサイトを活用した患者とのコミュニケーションは重要なポイントです。医療機関のWebサイトを改善・活用することは、患者に寄り添った良質な医療サービスを提供することはもちろん、治療体験を向上させさらなる集患につながります。本記事では、医療機関経営を考えるうえで避けては通れないWeb戦略について解説します。

医療機関におけるWebサイトの重要性

近年のスマートフォンやインターネットの普及により、私たちの生活は大きく変化しています。総務省が毎年行っている通信利用動向調査によると、2012年のスマートフォンの普及率は49.5%であったのに対し、2021年のスマートフォンの普及率は88.6%、インターネットを利用している人の割合は13~59歳の各年齢階層で95%を超えており、この10年で急速に普及したといえるでしょう。

参考:通信利用動向調査 | 総務省

1人1台、もしくはそれ以上のスマートフォンを持っていることが当たり前の時代になり、自分にとって必要な情報に、誰もが手軽にアクセスできるようになりました。電車での移動中や仕事の休憩中などのスキマ時間を利用して、週末の計画を立てたり買い物をさっと済ませたりといった体験は、誰もが覚えがあるのではないでしょうか。

こうした生活の変化は、医療機関へのアクセス方法にも大きな影響を与えています。これまで、医療機関を選ぶ基準といえば自分の住んでいる地域や知人の評判などをもとにするのが一般的でしたが、最近はインターネットを駆使して情報を集め、自分に合った医療機関を自ら選ぶ人も増えています。また、こうした能動的に医療機関を選ぶ人の受け皿となるため、ブログを更新したりSNSのアカウントを開設したりして、積極的に情報発信を行っている医療機関も見かけるようになりました。現代の医療機関において、Webサイトは患者とのコミュニケーションの重要なツールとなっているといえるでしょう。

しかし一方で、企業や団体が発信するWebコミュニケーションはすでに成熟期にあり、ユーザーはそれに慣れている現状もあります。いくら有益な情報であっても、患者が求めているものでなかったり、わかりにくいと感じたりしてしまえば、すぐにサイトから離脱(そのホームページ以外のサイトに移動したり、ページを閉じたりすること)されてしまうでしょう。

ただ医療機関側が伝えたい情報をホームページに羅列するだけでは、ユーザーが離れていく原因になりかねません。患者とのコミュニケーションを活性化させ集患につなげるためには、ただホームページを制作するだけでなく、ユーザー(患者)が求めている情報を、適切な形で提供するWeb戦略が重要なのです。

医療機関に求められる3つのWeb戦略

医療機関に求められるWeb戦略とはどのようなものなのでしょうか。戦略的なWebサイト構築のためにおさえておきたい、3つのポイントについて解説します。

新規患者数の増加

Web戦略における集患という視点では、まずは新規患者数を増加させることが重要です。これまで、医療機関における集患の施策としては、チラシやポスターなどを活用したオフライン広告が一般的でした。しかし、近年インターネットやスマートフォンが爆発的に普及していることを考慮すると、公式ホームページやブログを通した情報発信を積極的に行い、インターネット経由で医療機関を探している患者の受け皿となるWeb戦略が重要です。

リピーター患者の増加

患者数を増やすためには、新規患者だけでなくリピーターを増やすことも重要な戦略のひとつといえます。これも、従来は診察を通して地域の人との信頼関係を築いていったり、診察のなかで次回受診の提案をしたりといった取り組みが一般的でした。こうした取り組みの重要性は今ももちろん変わりませんが、近年はそれに加え、SNSを通して医療機関の取り組みをお知らせしたり、DMやメルマガを活用して追客したりするなど、患者に積極的にコミュニケーションを取ることも効果的な施策といえます。

サービス品質や利便性の向上

患者の立場に立って考えてみると、医療機関からのお知らせやコミュニケーションだけでなく、医療機関のサービス品質や利便性も重要な選択基準といえます。近年は患者に適切な対応をするため接遇に力を入れたり、受付や診察の待ち時間を短縮したりする取り組みが一般的なものになっています。例えば医療機関のWebサイトを通じて受付や診察の待ち時間を確認できたり、オンラインで診察の予約ができたりすれば、患者にとって医療機関の利便性は大きく向上することになるでしょう。こうした一連の取り組みは、患者の治療体験を向上させ、よりよい医療サービスを提供することにもつながります。

医療機関Web戦略において、まず取り組むべきこと

Web戦略の具体的な施策は多岐にわたり、具体的にどのように取り組めば効果を生み出せるかは経営方針や集患方針によっても異なります。ここでは、戦略的なWebサイト活用を考えるうえで、いずれのケースにおいてもまず取り組むべき代表的な3つの戦略について解説します。

検索エンジン最適化(SEO)

検索エンジン最適化とは、GoogleやYahoo!などの検索結果にWebサイトを上位表示させるための施策です。自院のWebサイトの改善にどれだけ取り組んでも、それが患者に見てもらえなければ意味はありません。検索結果として上位表示されれば、それだけ多くの人の目にふれることになり、Webサイトを活用した集患が実現しやすくなります。同じような情報が溢れているインターネット上では、まずは患者に医療機関のWebサイトを見つけてもらうことが重要で、検索エンジン最適化(SEO)はそのためにまず取り組みたい施策といえます。

検索エンジン最適化(SEO)のための施策には、サイト内の仕組みを改善する内部施策や、優良な外部リンクを集める外部施策などさまざまなものがありますが、Web戦略という意味では検索ワードの選定も重要なポイントとなります。検索ワードとしては「眼科+レーシック」などのように自院の得意分野を含める方法もありますが、それ以外に「世田谷区+眼科」などのように患者の検索行動を意識した施策が重要です。

ソーシャルメディア(SNS)の活用

インターネットを戦略的に使うという意味では、LINEやTwitter、Facebook、InstagramなどのSNSの活用にもぜひ取り組むことをおすすめします。自院のWebサイトだけでなくSNSを活用する利点は、主に以下2つがあげられます。

  1. 手軽に情報発信できること
  2. 双方向のコミュニケーションがとれること

すでに投稿するためのフォームが用意されているSNSでは、自院のお知らせや取り組みなどの情報を手軽に投稿できるのが最大のメリットといえます。そのため、Webサイトをわざわざ更新するよりも手間や費用がかからず、かつ迅速に情報発信することができます。また、コメントや返信機能を利用して患者との双方向コミュニケーションがとりやすいのも大きな特徴です。SNSを活用して登録者数やフォロワー数を増やすことで、ロイヤリティを高めたり、リピーターを獲得したりといった効果が期待できます。

オンライン予約システムの導入

サービス品質の向上という視点では、Webサイト上でのオンライン予約システムは必須の機能といえます。医療機関の「サービス品質」と聞くと高い治療技術や最新の設備などをイメージする人も多いかもしれませんが、患者の視点に立ってみると「待ち時間が少ない」「希望の日に予約が取れる」といった利便性もサービス品質に大きく関わってくる要素です。

特に昨今は忙しい仕事の合間に医療機関に通う人や、わざわざ電話をかけて問い合わせをすることを好まない人も増えています。そのため、インターネット上で予約ができたり、待ち時間がリアルタイムで確認できたりすると、それだけで便利で通いやすい医療機関というイメージにつながります。

Webサイトの改善は、さらに戦略的な医療機関経営を実現する

医療機関のWebサイトを改善することは、ただ医療機関からのメッセージを伝えるだけでなく、患者とのコミュニケーションを増やし、よりよい医療サービスを提供することにもつながります。Webサイトは戦略的な医療機関経営においても欠かせないものといえるでしょう。

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